画像/動画の認識・生成

Rethinking Image Super-Resolution from Training Data Perspectives

従来,画像超解像分野において,高解像度で圧縮ノイズが少ない画像が超解像学習を成功させる既成概念となっていた.本研究では,Blockiness分布計測による画質評価, 画像セグメント数計測による被写体の多様性,およびこれらがSR学習成功の本質であることを実証する.提案するDiverSegデータセットは,低解像度なWeb収集画像で構成されているにも関わらず,既存の超解像データセットよりも高い性能を示した.

小売商品棚を対象にした画像認識のための大規模データセット構築

小売商品棚を対象にした画像認識のための大規模データセットを作成した. 小売商品棚は, 1枚の画像に大量の商品が同時に存在するという特性上, アノテーションコストが極めて高い. そこで我々は、3DCGを利用してフォトリアルな小売商品棚の画像を作成し, 同時にオブジェクトの3D座標データをもとにアノテーションを自動で付与することで, 200クラス、100,000枚の大規模なデータセットを作成した.

・本研究はパナソニックコネクト社との共同研究成果です.
・データセットはリンク先のページからダウンロード可能(利用は研究目的に限る).

https://yukiitoh0519.github.io/CG-Retail-Shelves-Dataset/

Boosting Semantic Segmentation by Conditioning the Backbone with Semantic Boundaries

Semantic Boundary Conditioned Backbone (SBCB) フレームワークは,多様なセグメンテーション・アーキテクチャとの互換性を維持しながら,特にマスク境界でのセマンティック・セグメンテーションのパフォーマンスを向上させる効果的な学習方法です.このフレームワークは,セグメンテーション・アーキテクチャのバックボーンから得られるマルチスケールの特徴をセマンティック境界検出(SBD)のマルチタスク学習を行い,より境界を理解した特徴を得られます.このアプローチにより,Cityscapes データセットで平均 1.2% の IoU 向上と 2.6% のboundary F スコアの向上が達成でき,セグメンテーションの精度が向上しました。 SBCB フレームワークは,ビジョン・トランスフォーマー・モデルを含むさまざまなバックボーンにうまく適応し,モデルに複雑さを導入することなくセマンティック・セグメンテーションを進歩させる可能性を示しています。

重要パッチ選択に基づく効率的な動画認識

動画は画像と比較して非常に処理コストが高い一方,各フレーム画像は似通っており冗長性が高い.本研究では時間的な動きや変化が小さいパッチを冗長と判断し,入力から除外することで処理コストを削減する動画認識手法を提案した.時間的な動きや変化には圧縮動画を復号する過程で副次的に得られる情報を用いるため,追加で必要な処理コストはパッチを除外することによって削減される処理コストと比較して僅かである.提案手法をTransformerベースの動画認識モデルに適用することで,行動認識において 1 ポイント以下の精度低下で 70 % 以上の処理コスト削減を達成した.

効率的な3DCG背景制作のための360度画像の周辺補完

※Accepted to CVPR2022 : Paper, Code

360度画像は,3DCG制作において効率的にシーンを制作するために,全周囲を表現する背景画像として利用されます.本研究では,1枚の通常画角の画像を入力として,その周囲を補完することで,360度画像を生成する問題に取り組みます.Transformerを用いた提案手法は,先行手法の結果と比べて,より高解像度で自然な見た目の出力画像を得られます.さらに,一つの入力に対して,多様な結果画像を出力することが可能なため,利用者は多くの選択肢を得られます.このようにして,本研究は利用者の効率的でオリジナリティのある3DCG制作の支援を目指しています.

完全合成画像での学習による文書画像の影除去

※Accepted to ICIP2022 : Paper

文書画像に映り込んだ影の除去は,デジタル化された文書の質向上に重要なアプリケーションである.近年の研究では多くの深層学習ベースの影除去手法が提案されており,これらは影がある画像,影のない画像の集合に対して学習する.これらの一般的な教師あり学習手法では,ペアとなる文書画像の大規模なセットが必要であるが,データセットを作成するためには膨大なコストがかかる.そこで本研究では3DCGレンダラを用いて,実際の文書のキャプチャを必要とせず,大規模かつ多様なデータセットを作成する.実験では,提案したデータセットのみで学習したディープニューラルネットワークが実データに対して良好な性能を発揮し,また,事前学習に用いることで性能に向上があることを示した.

動画内の音と映像によるイベント推定タスクにおける時間方向クロスモーダルアテンションの導入

精密工学会誌(2022):Paper

以前までは,音からの音イベントの認識・検出と映像からのイベントや行動の認識・検出は独立して行われていた.しかし,動画には音と映像が含まれており,音と映像が同一のイベントを表すAudio-Visualイベントにおいては2つのモーダルを利用するほうが認識精度が上がると考えられる.また,Audio-Visualイベントにおいて一方のモーダルは他方のモーダルの教師データに相当する.これにより,教師データを必要とせず自己教師データを利用することで学習を進めることが可能になる.本研究では,Audio-Visualイベントの認識を目的とする.セグメント間の関係性を学習することで動画全体を正確に捉えるために,self-attentionを基盤としてTemporal Cross-Modal Attentionを提案し,先行研究を上回る精度を達成した.

Fast Soft Color Segmentation

※Accepted to CVPR2020 : Arxiv , OSS

この研究では,一枚の画像を似た色のみを含む複数のRGBAのレイヤーに分解する問題を扱う.我々が提案するニューラルネットワークベースの手法は,既存の最適化ベースの手法に比べて30万倍高速に分解できる.その高速な分解の利点により,ビデオの色の変更などの新しい応用を実現する.

自然言語指示文による物体画像の属性変換

画像編集ソフトウェアの出現により,画像編集は活発に行われるようになった.これによってわずかな形状や色の調整などの単純な画像編集は容易となったが,人間の顔などの複雑な物体の画像を自然に編集するには依然として高度な技術が必要となる.本研究では,人間の顔画像に着目し,その属性を,英語の指示文のみを条件として変換することを目的とする.自然言語の指示文を条件とした顔画像の属性変化に基づく画像変換という問題設定を評価する評価指標を新たに設け,提案手法の評価を行う.

Segmentation のためのスーパーピクセル上でのGraph Convolutional Neural Networks

※IEICE : Paper

CNNを用いた画像領域分割の欠点として,プーリング層によるダウンサンプリングが原因で空間的な情報が欠落してしまい物体の輪郭付近での領域分割精度が低下する点があった.そこで,プーリングによる情報の欠落を防ぐ別のアプローチとして,スーパーピクセル上でのグラフ畳み込み(Graph Convolution)を提案した.また,グラフ畳み込みの拡張として,より効果的に受容野を広げるDilated Graph Convolutionを提案した. HKU-ISデータセットを用いた領域分割の課題において,提案手法が同一構成の従来のCNNを上回る性能を達成した.

Super pixel pooling

CNN分類器を用いた画像識別における顕著性マップ生成

一般的に画像をCNN に入力し特定の出力が得られた場合に,なぜそのような出力が得られたかを説明することは難しい.本研究では,Generative Adversarial Networksの枠組みを応用した顕著性マップの生成手法を提案する.このシステムでは2つのニューラルネットワークを競わせながら学習する.1つ目のネットワークは,画像識別を行うように学習する.2つ目のネットワークは,ある画像が1つ目のネットワークに入力されてうまく画像識別ができる場合に,この画像には似ているが1つ目のネットワークに入力した場合に間違った結果を出力するような画像を生成するように学習する.2つ目のネットワークがこのような画像を効率的に生成するためには,1つ目のネットワークの画像識別において大切な画像領域を大きく変化させた画像を生成すれば良い.このような学習を行うことで,画像識別において重要な画像領域が明示的に出力可能となるため,これを顕著性マップとして捉えることができる.

GANを用いた画像識別顕著性マップ生成

GANによるカラー調整と画像補完の同時実行

本研究では,カラー調整と画像補完で自然な貼り付け合成を行う問題を解決するために,コンテキストを考慮したカラー調整を行いつつ画像補完を行う手法を提案する.挿入するオブジェクト画像を明示的に補完領域に出現させるようにするため,コンテキストを考慮した補完にCNNとGenerative Adversarial Network (GAN)を利用し,背景画像全体からコンテキストに関する特徴を抽出する.さらにそのコンテキストの特徴を,画像補完のためだけでなく,カラー調整にも利用することで,コンテキストを考慮したカラー調整を行う.このようにして,カラー調整と画像補完の課題を同時に解決するネットワークを実現する.


Aoki Media Sensing Lab.

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Faculty of Science and Technology

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